歌声復活へOB朗々 部員減で06年休部 西南大グリークラブ 「伝統守れ」公開練習
名門復活へOBが奮闘-。部員の減少で休部となった西南学院大(福岡市早良区)の男声合唱
サークル「西南学院グリークラブ」を復活させようと、クラブOBらで構成する合唱団
「西南シャントゥール」が立ち上がった。学生に合唱の魅力を知ってもらうため、7月から月に
1回、学内の音楽室で公開練習をしている。歌声に乗せた伝統クラブ再生の願いは学生たちに届くだろうか。
グリークラブは学院創立から3年後の1919(大正8)年に創部。大学によると、学内の文化系サークル
では最古級で、全日本合唱コンクールで何度も上位入賞するなど全国に知られた存在だった。
ピーク時の80年代には120人以上の部員が在籍したが、2000年ごろから趣味の多様化などで減少。
OBの1人は「週5日の練習という負担の重さも敬遠の理由だろう」と話す。
1952年度から毎年、開催した定期演奏会は2005年度が最後。06年3月に最後の1人が卒業して
休部になった。このためOBが支援を本格化。入学式での校歌指導など学内行事は、グリークラブの代わりに
シャントゥールが出演。また、4月には他の体育会やサークルの現役学生に交じり「おじさん」たちが新入生を
勧誘した。さらに、成果を挙げるには男声合唱の魅力を生で伝えるのが近道と、月4、5回の練習のうち1回を
学内で公開練習として始めた。12月に定期演奏会を控えていることもあり、約50人が毎月第2木曜の夜に、
重厚なハーモニーを響かせている。
シャントゥールメンバーでグリークラブOB会長の刀根亨一さん(78)は「孫のような学生たちに働き掛ける
のは難しい。だが、われわれの目が黒いうちに何とか伝統のクラブをよみがえらせたい」と意気込んでいる。
=2007/09/20付 西日本新聞夕刊=